腹腔鏡手術・子宮鏡下手術
行徳総合病院婦人科では腹腔鏡手術・子宮鏡下手術をおこなっています。
腹腔鏡手術とは
腹腔(お腹)を二酸化炭素ガスで膨らませスペースを作り(気腹法)、腹腔内をテレビモニターに映し出し、細長い鉗子(かんし)などで操作して手術する方法です。
傷の付き方
手術内容や腹腔内の様子によって異なります。
4孔式
2孔式
単孔式
腹腔鏡補助下小開腹
当院でおこなっている腹腔鏡手術
- 卵巣のう腫摘出術
- 付属器(卵巣・卵管)切除術
- 卵管開口術
- 子宮筋腫核出術
- 癒着剥離術
- 子宮内膜症病巣除去術
- 子宮全摘術
- 仙骨腟固定術(骨盤臓器脱手術)など
子宮鏡下手術とは
子宮内を液体で膨らましスペースを作り子宮腔内をテレビモニターに映し出し、子宮腔内の腫瘍(ポリープや筋腫など)を凝固切開装置で切除し摘出する手術です。腟からの手術ですので体表にキズはつきません。
筋腫が大きい場合には2〜3回に分けて行うことがあります。腫瘍を摘出する以外にも子宮内膜を焼灼し生理の量を軽減させる治療があります。
当院で行っている子宮鏡下手術
- 子宮筋腫切除術
- 子宮内膜ポリープ切除術
- 子宮内膜焼灼術など
初診外来から手術、退院後の過ごし方について
- まず、当院婦人科を受診していただき、診察を行った上で、手術方法と手術日を検討します。MRIや腫瘍マーカーなどのデーターがあるようでしたら、ご持参ください。
- 子宮筋腫や子宮内膜症などでは、病変を小さくし術中出血を抑えるために、生理(月経)を止める治療を数ヶ月行った後に手術を行う場合があります。
- 子宮鏡下手術の場合、子宮内膜を薄く保つ薬を術前の数週間、内服してもらうことがあります。
腹腔鏡イメージ図
子宮内膜症の抗炎症効果
MRIイメージ図
子宮筋腫の縮小効果
手術前後のスケジュール例
1. 手術前検査の流れ
- 手術日が決定しましたら、その1ヶ月以内に手術前検査(血液検査・心電図・レントゲン検査など)をお受けいただきます。問題なく全身麻酔をかけられるか判断するためです。
- 後日に、術前検査の結果確認などのため再受診していただきます。
- 術前検査の結果確認の際には、手術内容を説明し同意書をお渡しするため、なるべくご家族と一緒に来院していただきます。
※手術当日は、(手術説明をした同一の)ご家族の方の来院が必要です。ご了承ください。
2. 入院から手術まで
手術日
手術は月曜AM、水曜AM・PM、金曜AMにおこなっています。
腹腔鏡手術の場合
前日または前々日に入院し(手術日によって異なります)、術後経過が順調であれば、術後4日目に退院です。小開腹では術後6日目の退院です。
子宮鏡下手術の場合
基本的に前日に入院し、術前処置として子宮頚管拡張の処置を行います。手術後は採血を行い、翌朝に診察し、退院です。月曜日に手術する場合、土曜日に入院し、手術当日の朝に、子宮頚管拡張の処置を行います。
3. 退院後の生活について
- 術後は性器出血がありますが異常ではありません。腹腔鏡手術では子宮を動かす器具を術中に子宮内に挿入していたために出血がおこり、子宮鏡下手術では子宮内手術による刺激のために出血がおこります。
- 腟や子宮からの腹腔内感染を避けるため、術後約1週間は入浴せずシャワーにしてください。性生活も術後約1週間は避けてください。(子宮全摘後の性交渉の再開は、担当医の指示に従ってください。)
- 退院後は痛みに応じて通常の生活に戻してください。術後に特に発熱や下腹痛を認めなければ、退院翌日から職場に復帰することも可能ですが、一般的には(入院期間も含めて)腹腔鏡手術は約2週間、子宮鏡下手術は約2日間の自宅療養をお勧めしています。詳細については担当医と相談してください。
- 退院後は約3週間後に術後検診に来ていただきます。手術で摘出した検体の病理診断結果を確認します。
子宮鏡検査
行徳総合病院婦人科では、子宮内腔を映し出す子宮鏡検査(軟性子宮鏡)を外来で行っています。
- 子宮鏡検査は予約制になっていますので、あらかじめ婦人科外来の受診が必要です。
- 検査は手術室で行います。当日、婦人科外来からご案内します。
- 3.5ミリ径のやわらかいスコープを用いますが、どうしても子宮頚管が細くて子宮体部に挿入できない場合には、頚管拡張を行い1〜2時間後に再度検査する場合があります。
- 検査の刺激で性器出血しますので、ナプキンをお持ちください。
- 検査を行う時期は、基本的に生理(月経)の終了直後のころです。生理が来たら婦人科外来までお電話いただき検査の確認をします。子宮内膜の厚い中間期や生理直前では、厚くなった内膜で病変がはっきりしない場合があります。