GID治療
当院では、形成外科と婦人科にてGIDに対する性別適合手術を行っています。(2021年1月より施行できる手術が増えました)
FTM:(腹腔鏡下子宮・卵巣摘出術、乳房切除術、陰茎形成術)
MTF:(外陰部女性化手術・造膣術)
※GIDとは、gender identity disorder 性同一性障害、FTM(female to male)とは身体が女性であり性自認が男性、MTF(male to female)とは身体が男性であり性自認が女性である考えを意味します。
当院には精神科のジェンダー専門医がいませんので診断のプロセスは外部機関にお願いしています。日本精神神経学会のガイドラインに準拠したジェンダー委員会による性別適合手術の承認とその証明書が必要です。ジェンダー委員会とは2人以上の精神科医、泌尿器科医、産婦人科医などによって構成され、近隣では浦安ジェンダー委員会(あべメンタルクリニック)があります。
診療費(費用について)
当院は現在のところ、GID学会の認定施設ではありませんので、全て自費治療となります。ホルモン療法を開始していない乳房切除術に関しては、認定施設であれば保険診療で手術を受けることが可能です。
ホルモン療法は自費診療ですので、すでにホルモン療法を行っている場合は「混合診療(保険診療と自由診療の併用)禁止」の原則から、認定施設であっても手術は自費診療になります。ホルモン療法を個人輸入で行っている場合でも、手術は自費診療となります。
FTMに対する手術
子宮・卵巣の摘出術
子宮・卵巣の摘出術は、子宮筋腫や卵巣腫瘍などの婦人科疾患で一般的に行われている手術と手技上は全く同じです。当院では開腹手術ではなく腹腔鏡で行います。
乳房切除術
性別適合手術としての乳房切除術は、乳がんなどの疾患で切除する場合とは異なり、整容性に重きを置き乳腺を切除し男性型の胸壁を形成します。
陰茎形成術
腕の皮膚や太ももの皮膚を用いて陰茎形成を行います。また、陰茎形成を行う場合は、下準備の手術として尿道延長術が必要です。一般的に陰茎形成は尿路系の合併症のリスクが高く、よく検討していただく必要があります。
MTFに対する手術
外陰部女性化手術および造膣術
外陰部女性化手術とは陰茎・精巣を除去し、女性様の外陰部を形成します。男性から女性への戸籍・性別変更には外陰部女性化手術が必須となります。膣での性交渉を希望しており、膣が必要な方は造膣術も行いますが、造膣術は戸籍・性別変更には必須ではありません。当院では、陰茎反転法もしくは皮弁法で造膣術を行っています。
受診の流れ
GIDの方の受診の場合、形成外科では櫻井医師の外来受診が必要です。婦人科では、初診から予約制になりますので、まず婦人科外来のスタッフまで電話をください。
原則、金曜日午後に坂本医師が担当しますが、男性医師を希望される場合は、水曜日または金曜日午後に田口医師が担当します。
費用/入院日数
FTM
子宮全摘のみ | 1,100,000円/5泊6日 |
---|---|
乳房切除のみ | 650,000円/7泊8日 |
子宮全摘+乳房切除 | 1,450,000円/7泊8日 |
子宮全摘・尿道延長・膣閉鎖 | 1,400,000円/7泊8日 |
子宮全摘+乳房切除+尿道延長+膣閉鎖術 | 1,700,000円/7泊8日 |
尿道延長のみ | 800,000円/7泊8日 |
陰茎形成(大腿皮弁) | 2,250,000円/14泊15日 |
陰茎形成(前腕皮弁) | 2,250,000円/14泊15日 |
乳頭縮小術 | 90,000円/日帰り |
令和3年1月1日更新
MTF
外陰部女性化(造膣なし) | 1,350,000円/14泊15日 |
---|---|
外陰部女性化(造膣皮弁法) | 1,800,000円/14泊15日 |
入院1ヶ月前までに前納していただきます。
術後の状態や経過によって、追加の支払いが必要になる場合があります。
クレジットカードは使用可能です。
行徳総合病院 代表番号
047-395-1151
婦人科外来 電話対応可能時間
月〜金 | 9:00〜12:30 14:00〜16:30(お電話が繋がりやすい時間帯です) |
---|---|
土 | 9:00〜12:30 |
- 当院で受けられた手術に関する意見書は当院で発行いたしますが、戸籍の性別変更に関する事は、かかりつけの精神科でご相談ください。
- 手術後は、問題なく経過していれば数回の定期検診で終診になります。当院では基本的にホルモン療法の処方は行っていませんので、ホルモン療法に関しては、かかりつけの精神科で処方を相談してください。