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行徳総合病院 トップページ 診療科・専門外来 血液浄化センター

血液浄化センター

当院の血液浄化センターは、24床のベッドを有し、急性腎不全、慢性腎不全の患者さまを中心とした血液浄化療法を提供しております。送迎を含めた外来透析ならびに透析導入から、さまざまな診療科での合併症による入院透析の受け入れを行なっております。また個室透析を2床有しており、重症患者さまやインフルエンザやノロウイルスなど感染症への対応も行っております。

通常の血液透析(HD)に加え、可能な治療として、血液濾過透析(HDF)、オンラインHDF、LDL吸着療法、血漿交換(PE)、腹水濾過濃縮再静注法(CART)、白血球除去療法(LCAP)、エンドトキシン吸着(PMX)といった種々の血液浄化療法に対応しております。その他、透析患者さまには定期的な血液検査、胸部レントゲン、心電図のみならず、心エコー、シャントエコー検査、ABI/PWV、頭部、腹部CT検査、内視鏡検査等を行なっております。各診療科と連携し、合併症の早期発見、早期治療に努めてまいります。

また、当院は回復期リハビリテーション病棟がございますので、リハビリを要する患者さまの透析も行えます。

2020年4月1日より、心臓血管外科が開設いたしましたため、当院にてシャント造設も行っております。

2021年9月より、エコーガイド下シャントPTA(経皮的血管拡張術)を行っております。

当院の新型コロナウイルス感染対策について

血液透析(HD)

血液を体外に取り出し、腎臓の代わりとなるダイアライザに通すことによって、血液中の老廃物や余分な水分の除去、電解質バランスの調節を行い、血液をきれいにする治療法です。
血液透析を行うために、体から1分間に150~200mlの血液を抜き出して、体に溜まった水分や老廃物を除去し戻すためのバスキュラーアクセスという出入り口が必要となります。

オンラインHDF

通常の血液透析に加え濾過・補液を行うことで、血液透析では除去しにくい低中分子蛋白といわれる物質の除去をすることができます。

オンラインHDFは透析液を置換液として使用します。これにより大量の置換液を確保し、十分な濾過が可能になり、より多くの老廃物を除去することができます。治療効果として、関節痛、かゆみ、イライラ感、不眠、透析アミロイドーシスなどが挙げられています。
また、透析中の血圧低下しやすい方にも効果があるといわれています。

しかし、この治療を行うには、きれいな透析液を使用する必要があり、厳重な管理をしなければなりません。そのため、毎月エンドトキシンと生菌数を測定、毎日の残留 塩素の検査を行い、安全に治療が行えるよう水質管理の徹底に努めています。

また、重度の閉塞性動脈硬化症に対してLDL及びフィブリノーゲンを吸着させる、レオカーナ療法も施行可能です。

I-HDF

オンラインHDFの変法で、治療中に透析液を間欠的(30分毎)に補液することで、四肢末端への血流の改善、治療中の血圧低下の改善につながる治療方法です。

オンラインHDF同様、透析液の清浄化管理を徹底することで施行可能となる治療法です。

持続的腎機能代替療法(CRRT)

急速に腎機能が低下した急性腎不全の病態改善を目的とし、血液中から尿毒素などの病因物質を長時間かけて取り除きます。通常の血液透析よりも緩徐な設定にて行うため、体への負担を軽減しながら治療を行うことができます。
術後肝不全、急性肝不全、急性腎不全、重症急性膵炎などに適応とされます。

腹水濾過濃縮再静注法(CART)

さまざまな疾患(肝硬変、胃がんなど)の影響で腹腔内に貯留した腹水を採取、濾過・濃縮し、再静注する治療法です。
一般的治療(食事療法、安静臥床)、薬物療法(利尿薬、アルブミン補充)の治療を行っても改善されない難治性腹水症に適応とされます。

血液吸着法(HA)

血液を体外に取り出し、吸着器を通して血液中の病変物質を吸着除去する治療法です。
薬物中毒、エンドトキシン吸着等に適応とされます。

シャントPTA

当院では、2021年9月からエコーガイド下でのシャントPTA(経皮的血管拡張術)を施行しております。
透析患者さまに必要なシャントは、時に狭窄することがあります。そのままでは、透析が十分に行えなかったり、シャントが閉塞したりすることもあります。
血管内にカテーテルを入れて狭くなった部分をバルーン(風船)で広げて治療することを、シャントPTAと呼びます。
当院では、超音波を用いたシャントPTAを行っており、造影剤の使用や放射線の被爆なく、治療を行うことが出来ます。
長くシャントを使用出来るよう、シャントのメンテナンスを適宜行うことが必要です。

白血球除去療法(G-CAP)

炎症性疾患の病態変化を目的とし、血液を体外から取り出し血球成分除去用浄化器を用いて血液中から炎症をおよぼす顆粒球や血小板を除去し、炎症を速やかに鎮める治療法です。
潰瘍性大腸炎、関節リウマチに適応とされます。

血漿吸着法(PA)

血液を体外に取り出し、血漿分離器にて血球と血漿に分離した後、血漿吸着器を用いて血漿中の病原物質を吸着除去する治療法です。血漿吸着器内の吸着器の種類により、病因物質の選択的な除去が異なります。
家族性高コレステロール血症、ギランバレー症候群、重症筋無力症等に適応とされます。

血液浄化療法の実績

検査・術式名 2021年度 2022年度 2023年度
維持血液透析
(HD/HDF/オンラインHDF)
11,341件 11,841件 11,797件
ICU・病棟血液透析
(HD/HDF/ECUM)
40件 83件 73件
持続的腎代替療法
(CRRT)
60件 150件 117件
吸着式血液浄化法
(PMX-DHP)
4件 9件 17件
吸着式血液浄化法(レオカーナ) 5件 0件 0件
血漿交換療法
(PE/DHPP/LDL)
41件 22件 32件
胸水・腹水濾過濃縮再静注法
(CART)
10件 2件 1件

2024年3月現在

血液浄化センターの特徴

無料送迎サービス

当院では、透析で通院される患者さまの負担軽減のため、無料の送迎サービスを行なっております。車椅子のまま乗車できる送迎車両もございますので、ご希望される方は当センターまでご相談、お問い合わせください。
※地域や諸事情など、送迎を行なえない場合もございます。詳細はお問い合わせください。

アメニティ

透析治療中は、ベッドに備え付けられたテレビを無料でご利用いただけます。

栄養指導

透析中に管理栄養士がベッドサイドにお伺いして、水分管理やお食事についてご相談させていただきます。ご希望の方にはご家族さまも一緒に指導を受けることができます。

栄養指導の際にお渡ししている「ぷちまめ通信」。
月ごとに食事の注意点やアドバイスをお伝えしています。

臨時透析

出張やご旅行などで一時的に必要とする臨時透析もお受けしております。ディズニーリゾートからも近い立地にあります。お気軽にご相談ください。

〈お問い合わせ先〉 血液浄化センター

[電話番号]047-398-8011(医療連携室直通)
[月〜金]9:00〜17:00 [土]9:00〜12:00

血液浄化センター スタッフより

医師

医局長・内科医長・血液浄化センター長
青山 雅則(あおやま まさのり)

腎臓の働きが10%未満になると、日常生活を維持することが難しくなるため、透析療法あるいは腎臓移植といった腎代替療法が必要になります。そこで、大部分の患者さまは低下した腎機能を補うために透析療法を行います。
当院では、慢性腎臓病(CKD)の患者さまを対象とした腎臓病教室(そらまめ教室)を定期的に開催し、各部署とのチーム医療で透析に移行しないためのアドバイスをさせていただいております。また、腎不全期の患者さまにはライフ・スタイルにあった透析療法を提案し、選択していただいています。

今後は、腎代替療法の選択には医師だけでなく、看護師と面談を設けるなど、不安なく透析に入っていただけるように、また透析導入期や維持透析期の患者さまには、多方面から患者さまを丁寧にサポートできるような体制を整えていきたいと思います。
各診療科との連携を密に行い、様々な疾患における血液浄化療法と透析患者さまの合併症治療も積極的に行っていきます。愛し愛される血液浄化センターを目指し、センタースタッフと共に切磋琢磨しながら、日々頑張っております。

臨床工学技士

臨床工学科技士長
皆川 宏行

血液浄化センターは、個室2床を含め全体で病床数24床です。
基本的には、透析導入、外来維持透析、入院透析、合併症治療の一貫としてオンライン透析や持続的血液浄化療法も積極的に行っています。
また多様化する難治性の特殊な血液浄化療法にも対応し、各種血液浄化療法(エンドトキシン吸着療法、LDL吸着療法、白血球除去療法、腹水濃縮濾過静注法)などのアフェレーシスも行っています。

患者さまの一人ひとりの病態も様々ですが、安全で効果的な治療を安心して受けられますよう我々臨床工学技士は、日々研鑽をしています。
血液浄化センターは、職種の専門性を発揮しつつも、しっかりと連携し、患者さまのQOL向上にチームとして常に努め、信頼されご納得される医療を提供したいと考えます。